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2022年6月定例会本会議

ひとづくり

全国から生徒が集まる高校とは

◆百瀬智之委員:  私からは、今回の議案、予算は異議なしという上で、資料の5番と6番、スクールデザインプロジェクトと高校再編、二つを主にテーマに取りましてお尋ねしてまいりたいと思います。まず、資料の5番ですが、長野県スクールデザインプロジェクトを拝見しました。大変に期待のかかる事業だと思いますし、インターネットで先日の6月5日の公開されていたシンポジウムの内容も、飛び飛びではありましたけれども拝見させていただいた次第であります。そんな中で、早速ですが、2番のNSDプロジェクトの経緯というところからお尋ねしてまいります。経緯が、(1)で、平成30年県立学校学習空間デザイン検討委員会設置ということで始まっているわけでありますが、どういう経緯で、もうちょっと下で何かあったのではないかなと思う。もっと、どういう経緯で検討委員会の設置に至ったのかというところを説明いただきたいと思います。

◎服部靖之参事兼高校教育課長:  平成30年の県立学校学習空間デザイン検討委員会の設置に当たってということですが、変化が激しい予測困難な未来において、どういった学びを展開していくかという議論は当然ありました。学びの改革ということで、ソフト面について学びを実装していくということについては、探究的な学びを前面に押し出しながら議論を深めていくと同時に、入試制度の改革も併せて行ってきたわけです。一方で、学びを実装する上で、施設そのものもどうあったらいいのか、どう変えていったらいいのか、子供たちの学びが夢につながるまでがどうしたら実現できるかという中で、箱物については、従来の基本計画の策定から設計、さらにはその先の個人につながる流れについて、本当に四角四面のというか、そういった形で、きちんとした議論がなく、特に基本計画の段階では行政がメインで計画を立てて、例えば教室を廊下でつなぐという、どこの学校を見ても一律同じような建物というところで、ある意味、深い議論とか地域の議論とか、そういった周りの声が入ってきづらい状況になったところへ、建物をどうするかということに合わせて地域の声を呼び込むという、要するに、学びの中身だけじゃなくて、施設も含めて包括的に学びの改革を実現していこう、こういった理念から始まっております。

◆百瀬智之委員: 私もこれ興味持って、今までの教育の在り方の中で私もどういう教育を受けてきたのかとかを調べていくうちに、私どもがどうやら受けていたのは、一種、プロイセンモデルと呼ばれる教育形態だったと。最近、調べましたが、18世紀の産業革命の時代以降で、ヨーロッパのプロイセンが、工業製品をとにかく画一のものをどんどんと国挙げて作っていかないといけない。それが一人一人の人格やら何やらというよりも、今の箱型の教室の中で、とにかく知識をどんどんと覚えてもらう。そういった中でずっと、プロイセンモデルは、日本だけじゃなくて世界一律、近年までそうだったということで、私もああそうなんだなということで伺ってきたわけで、そういった形態の中から徐々に変化も各国で現れてきたと。日本においては、戦後の復興であったり、あるいは高度の経済成長であったりという中で、それがうまく型にはまってきた時代もあったと思いますが、特に最近では、いろんなところでほころびが出てきて、一時ゆとり教育というのもありましたけれども、あれが駄目だったというよりも、私の中では変化の中のまだ序章にすぎないと思っています。そんな中で空間について、今、課長におっしゃっていただきました四角四面のやり方、在り方から、いろいろなところを変化させていくんだと。そういったところをどんどんとチャレンジしていっていただきたいとに思います。どう具体的に学校の中、変わっていくのかということ、ホームページで既にある程度掲載されていましたので、これも見させていただきました。少し御紹介もいただきたいと思います。11ページの(2)ですか、空間「多様な生徒の学習ニーズに応じた柔軟で可変性のある空間で学びを支援」、柔軟で可変性のある空間というのは一体どういうことかと。今まで我々が学んできた学校と何が違うのかということを、少し具体的な例を交えて御紹介いただきたいと思います。

◎服部靖之参事兼高校教育課長: 可変性のあるということですけれども、当然ながらこれまでの教室は、それぞれの学校に普通教室や特別教室、それぞれ名前がついていたところで、要するに教室の使途というのがほぼほぼ固定的だったわけです。ともすれば、廊下はただ歩くだけのものとか、階段の踊り場みたいなところ、そこも特段掃除用具があるぐらいのところでしたが、そういうようなスペースというのをもっと有効に利活用できるのではないかということと同時に、子供たちが学ぶ場面で、例えば共創空間というのをこれまでの学校施設でつくれたかというと、実際に地域の方が入ってきて子供たちと共に学ぶとか、意見交換をするとか、もっと言えば世代を超えた人々との交流ができる場が、私自身も受けた教育現場ではそういったところは実際になくて、お客様として地域の方をどこか応接室に通して、そこで座って対面で話をするぐらいの話でした。もっとアクティブに子供たちも入って話をするという場所が自分自身なかったと思いますし、あとは、いろんな情報も同時に見ながら、図書館とうまくつながりながら、本当に踊り場みたいなところで自由に議論するという施設そのものの具体的な使い方が固定化していたのではないかと自分自身、振り返って思います。だから、そういう意味では、百瀬委員おっしゃるとおり、私自身が具体的なイメージを持って語れているかというと、まだ絵に描いているものを何となくおぼろげに話しているだけなので、そういうものをきちんと目の当たりにして、こういうところでこういう学びができるというのを早く子供たちに提示できるような、地域に見せられるような、そんな日が来ればいいなと思いながら、取りあえず絵は何となく出来上がっていますけれども、これを実現できるように頑張っていきたいなと思っています。

◆百瀬智之委員: 課長おっしゃった中で、どういうようなイメージが持てるかということですが、赤松さんが手がけた学校というのは、実際既にあるんですよね。東京、他県で幾つか事例があって、それも導入というか、そういうのを踏まえながら県でも展開していくと思っているのですが、先行事例というと、今、他県と言いましたけれども、どこであるのですか。お分かりでしょうか、もし分かればいただきたいと思います。私も公共空間に大変興味があるので、ぜひそういうところを御紹介いただいき、足を運んでみたいと思います。私、これを見たとき、一回だけフィンランドに行ったときに、こういう学校があったなと思って、今、見させていただきました。私が見た限りでありますけれども、例えば高校の廊下と教室の間にソファーとテーブル、本会議場の前のああいう空間です。誰かが座って、何となく話ができるというような空間がしっかり用意されていて、何のための空間ですかと言ったら、説明する人が、これリビングルームだと。それがすごく印象的で、生徒って、学校に行ったときに居心地がいい空間ってなかなかないと。そういったところに座って話してもらうだとか、あと食堂も、高校でも食堂造るところ増えてきていると思うのですが、そういったところでいろんな人と話をしながら人間関係もつくり、あるいは昔、私たちの時代だと、例えば図工室というのは、授業があるときは入れるけれども、なかなか休み時間とかに入って創作活動できるという場ではなかった。でも、そういったところが、本当に危険なところは駄目ですが、ある程度許されている空間があり、すごく柔軟だなと。これを、もしかしたらプロイセンモデル的発想だと、そんな無駄なものは要らないとか、そんな危険なことをやらしちゃ駄目だとか、そこの葛藤がまだあるのではないかと思う。その辺のかじ取りが非常に難しいと思っていまして、ただ、自由な方向にどんどん行くとなると、これレッセフェールじゃないですけれども、なすがままに任せろということになると、それもまた違うと思っていまして、ここで、一つどういう方針でやっていくのかというのは持っていたほうがいいと思いますし、そのときに私、この現場ではどういう方針でやっているのかと言ったら、とにかく生徒には尊重と信頼です、それを言い聞かせていますと。小学校の時代からそれを言い聞かせていますって、その学校現場だけじゃなくて、どこに行っても、フィンランドは尊重と信頼と言う。人種もいろいろ違うでしょうし、それをまず認め合っていかないといけないということで、日本だとそこのところどうなのかなと思って、仲よくしましょうになるのか、あるいは、もうちょっと堅いところで道徳という話になると、非常にそれは大事なことだと思う一方で、ちょっとメッセージ性としては足りないと思います。そこのところのうまいかじ取りをここでお尋ねするのも難しいか分かりませんが、どういう運営方針の中でやっていこうとされているのか。そういう自由な空間をつくっていくのと同時に、学校の規律をどうやって保っていこうとされているのか、もしこの辺でお考えがあれば一言いただきたいと思います。

◎服部靖之参事兼高校教育課長: 非常に難しい質問いただきましたが、 自由というところの中に、どう規律を求めるかということでありますけれども、施設の使い方云々については様々な自由度とか選択肢が増えていくということは当然あると思います。実際には、東京の都立中学校とか区立中学校とか見てもそうですけれども、今、委員おっしゃったとおり、廊下とかにそういうリビングというかスペースがあって、そこで教室に入りたくない子が机に座って自分のペースで黙々と勉強したりということもあったりとか、あとは学校の中でこういう経路を通っていくと、会いたくない人の教室の前を通るとかということに対して逃げ場をつくるというか、少し迂回した道をつくるとかという配慮もあったりとかということで、それぞれが生きづらさを持ちながら、ただ、そうはいっても、その中で競争していくということであるので、そういった部分に配慮しながら、いろんな選択肢は準備しながらでありますけれども、自由の中で一定程度の規律は設けつつも、あまりにも規律の部分ばかりを強く求め過ぎると、逆に自由度が損なわれてしまうという部分もあるので、ある程度生徒を信じて、さっきおっしゃったとおり尊重と信頼ですか、そういったところを期待しながら育てる、待つということも必要になるかなと考えています。

◆百瀬智之委員: 本当にそういうゾーンをせっかくつくっても、ここは小教室だから、何々をしちゃいけませんとか、逆に禁止事項が多いと、またそれはそれで趣旨も違ってくると思いますので、その辺のかじ取りをあらかじめ持っていただきたい、実施していただきたいなと思っています。最後の(3)になりますが、このページの最後の部分、共学共創というのは、そういうものを踏まえて、まず学校内での共学共創なのか、それとも学校外を大いに巻き込んで、地域との連携って書いていますので、それは行く行くは巻き込んでいくのでしょうけれども、まずは何を念頭に置いているかいただけますか。

◎服部靖之参事兼高校教育課長: 共学共創ですけれども、当然学校の中で生徒同士もしくは教員と生徒の関係の中でも学び合いというのは当然あると思いますので、それをさらに広く捉えて、ここで言っているのは地域も巻き込んでということであります。当然ながら、これまでの学校というところは、なかなか外からのいろんな声が入ってきづらいというか、学校に対して何でも言ってくださいと言ったところで、実際にどういった形で意見ができるのかという場面もなかなかつくりづらかったというのがありますので、そういう意味では、本当に学校そのものを地域と一緒になってつくっていくという、再編計画ともかぶってくると思いますが、そういった視点をどうやって、変わりづらかった学校業務に入れていくかということも一つポイントで、今回のプロジェクトそのものが、基本計画の策定の段階から地域の方も入れながら、こういうプロセスを踏んでいくので、これを一つきっかけにして、これで終わりではなく、施設整備後も地域の住民の方と一緒に学校をつくっていくという、そういう風土をつくっていきたいということであります。

◆百瀬智之委員: そうすると、例えば図書館のイメージ図ですが、図書館というのは、基本的には生徒さんが見ますが、外の方が入って来て借りたりするということも念頭には置かれているのですか。

◎服部靖之参事兼高校教育課長: 当然地域の中にある学校と捉えれば、学校だけでということではなくて、地域に開かれるという意味でも当然ながら理解するものです。

◆百瀬智之委員: 深志は昔からそうでしたっけ。図書館、地域の方来て借りられるんでしたっけ。ぜひ今井次長にも一言いただけたらと思うのですが、最近、深志高校も大分地域の周辺の方々との関わりが増えてきたという記事を1年か2年ぐらい前に見たと思います。どういう地域の巻き込み方が増えてきたのか、私どもの時代と違ってきたのか、ぜひ一言お願いします。

◎今井義明 教育次長 深志高校も地域の中にある学校であることを意識せざるを得ない状況が出てきたということだと思います。特に学校から出る音の問題ですとか、あるいは通学時の交通マナーの問題ですとか、そういったことが直接地域の方たちから学校に対してクレームとして上がってくる。それに対して、深志高校は、生徒自身がどうしたらいいかということを考える中で、自分たちも地域に出ていって、地域の方たちとしっかりと向き合って、学校の在り方についてもっと話し合う場面をつくるべきだと。そういう中で、様々な音の問題とか交通マナーとか話す中でお互いの理解が深まって、ひとつそういった問題に対して解決策を見いだしていくということを生徒自身が見つけ出していったという、すごい意義のある活動だったとは思います。そういう意味では、今本当に高校も、町場にある高校も含めて、地域の方たちといかにお互いに理解し合いながら協働しながら学校をしっかりと応援していただくか、あるいは、学校をもっと開いていくかということが課題だということを改めて思ったところでございます。

◆百瀬智之委員: 音や交通ということでしたが、もっと何か地域の方がどんどん入って来るような事例とかプロジェクトというのは、また何か機会あったらぜひ教えてください。先ほどフィンランドという話をさせていただきましたが、その中で一つ行ったのがヘルシンキの中央図書館というのがありまして、図書館という名前ついているのですが、すごく大きいですよ。図書館部分は3階建てのうちの3階だけ、1階部分はカフェが入っていたり、映画も小さいミニシアターみたいなのが入っていたり、あるいは企業の皆さんがいろいろな打合せで使うことができる。2階は、図工的なDIYとかやったり、音楽活動できたり、それこそ3Dプリンターとか入って若い人がどんどんと日々やっています。3階に行くと、いきなり白い世界になって、そこに図書が並んでいて、これが何で図書館なのかと。日本的発想だと多目的ホールだと私は思った。でも、これは絶対図書館だと。学びというのが、あの国では本当に大事で、国会議事堂と面していて、国会をいつも監視していますよという意味合いと、もう一つは政治と同じぐらい大事な学びを全国民に保障するという何か思いがあるらしいのです。そういう思いはすごくいいなと思って、もちろん長野県で図書館もありますし、これだけのヘルシンキの中央図書館なんて、到底もうできないわけですけれども、地域にある、各高校にある図書とか、図工的なDIY的なそういうものとかも、地域の方々にぜひ開いていっていただきたい。プロイセンモデル的発想だと、そういう危ないことはするなとか、不審者が来たらどうするとか、そういう話になりがちですけれども、そことのうまくバランスを取ってやっていくのはこれからじゃないかなと思った次第であります。

 そんなところで、次の資料6番に移ってまいりたいと思います。高校再編であります。一般質問でもやらせていただきましたし、どういった経過でこれを取り扱うかに至っては、もちろん第三次の計画案が発表されたというものがあるのですが、私なりにも持っているというか、常日頃から思っていたことがございまして、私は、20代半ばに、学習塾開くに至りました。学習塾を開いて地域の子供たちを呼んで、国語、算数、理科、社会、英語を教えていくと、深志に行きたいとか県ケ丘に行きたいという人は本当にまれです。そもそも人数が少ないというのもありましたけれども、多くはお母さん方から、うちの子供どうにもならぬというか、どうにかしてくれとか、小さい塾でありましたから、そういった形で皆さんに来ていただきました。本当に勉強する気がない、そもそもやりたくない、何で学校に行っているのかということの中で、私も一生懸命働きかけました。いや、絶対おまえできるぞ、この先、いい人生待っているぞと。ただ、そのいい人生って何なのかといったときに、なかなかその先を私も説明できない。この高校へ行くとどういう人生待っているとか、もっとそういうところを地域一丸でつくっていけると、さらにいいなと思って、この世界に飛び込んできたというのもあります。そういった中で、そんなことを言っていてもしようもないので、資料6に基づいて具体的にお尋ねしてまいりたいと思います。まず、旧12通学区ごとに、協議会を中心に、ここの意見を酌んで、それでこの案に至ったと思っていますが、各地域の委員という中には、産業界から人が入っていると思うのですが、どういう人選でやられてきたかということです。先ほどの、特に私、これからの入試というのは一般質問でも申し上げましたけれども、普通校も専門校もひっくるめても、それこそ輪切りにして、どんどん振り分けていくのではなくて、もっと勉強したい人、引き続き勉強したい人は普通科でやってもらって、もう一つのベクトル、新しい軸として専門校をしっかり魅力あるものにしていって、そこをある程度、中学時の成績はあまり見ない。見ないと言うとおかしいですけれども、緩く採って、それこそ意欲とかで採っていくと。その代わり、魅力ある専門校をつくっていくという方針がいいと思うのですが、そもそもそういう高校をつくっていくに当たっては、産業界のアプローチをもっと強くしていかないといけないと思っています。委員は産業界からどういう選定で選ばれていますか。

◎宮澤直哉 参事兼高校再編推進室長 高校の将来像を考える地域の協議会の委員構成についてのお尋ねでございました。市町村の首長、教育長に加え、3番目としてこれは産業界代表という者を、必須マターとして協議会の委員に加わっていただきました。これは委員御指摘のとおり、旧12通学区ごとに設けた組織でありますので、その地区ごとの特徴も踏まえまして、具体的に申しますと、都市部と中山間地で若干異なるところはありますが、そこに所在する専門高校の、例えば農業、工業、商業を中心とした学び、それに近いところの産業界の代表という形で選任をさせていただいて、議論をいただいた次第です。

◆百瀬智之委員: 産業界の声というのは、ここのところは要約で書いていただいてあるのかもしれないのですが、もう少し出していただきたいなと思います。それともう一つ、問題意識として持っているのが座長ですよね。座長はどう選任されていますか。

◎宮澤直哉 参事兼高校再編推進室長 協議会の座長につきましては、協議会における互選ということで、座長あるいは会長という名称で、副会長、副座長とともに選んでおります。

◆百瀬智之委員: これからの懇話会も同じ方式でやられるということですか。

◎宮澤直哉 参事兼高校再編推進室長 懇話会につきましては、資料6の通し番号でいうところの53ページ、冊子本体の番号でいうと37ページに記載がございますので、御覧ください。 懇話会は、これは地域に立ち上げていただくというものではなくて、懇話会というのは三次案で申しますと、案が取れた上で、統合新校ごとに新校を一つの単位として、長野県教育委員会が主宰して立ち上げる組織であります。その会議構成、53ページ中ほどの(1)のアに書いてありますけれども、懇話会は地域の実情に応じて開催するものとし、例えばという例示でもってその構成者を示しております。僭越ながら県教育委員会、最初に掲げてありますけれども、校長、教職員等の学校関係者、地域の代表、そこには自治体の関係者、産業界の代表等、「等」という例示にはなっておりますが、産業界からも参画をいただくと。これは地域の協議会とは異なる形になってまいりますけれども、それぞれの学校の同窓会にも入っていただきます。また、PTA、さらに現在統合対象校に学んでいる生徒の代表等を加える形で懇話会を運営しているところであります。

◆百瀬智之委員: 問題意識を持っていると思ったのは、これまでの協議会の中でも、座長と呼ばれる方は互選してとなっているということならしようがない部分あるかもしれないんですが、例えば、諏訪地域だと諏訪の市長がなっていたり、こちらの松本に来ると、なぜか信州大学の教授がなっていたり、首長がなっていたり、教授がなっていたり、あるいは別の方がなっていたりで、そういったところの意見、そこで集約された意見がメインとなって、こういう構成になってこちらに上がってくるというのが、例えば、首長とかだったら、割と責任を問いやすいと思う。これどういうことですかと。私も新井さんという方、面識ないので何とも言えないのですが、この方に私が本当はこうあったほうがいいかと言っても、ただ、新井さんも困っちゃうと思う。しっかりこういうところ、責任の所在というのを明確にしたほうがいいと思いますし、政治をやっている人が絶対いいと思う。これからも、そういった意見、ぜひお含みおきいただきたいと思います。それを前提に、専門校が縮小され続けてきたと一般質問では申し上げさせていただきました。教育委員会としては、これまでの農業高校であったり、林業高校であったり、商業高校であったりが少なくなってきたという歴史は、まずどのように捉えられているか伺いたいと思います。

◎宮澤直哉 参事兼高校再編推進室長 専門高校の縮小というお言葉を使っていただきました。御承知のように、少子化に伴いまして、そもそも県立高校の学校規模と申しますか、年々の募集定員も、その子供の数に合わせて減少はしてきております。ただ、各地域にそれぞれその地域の基幹産業というようなものがある特徴的な地域も県内にはございますし、専門の職業科という、以前はそんな言い方をしていたかと思いますが、農業、工業、商業あるいは家庭科に相当する特徴的な学びの灯を消してほしくない、ぜひ維持してほしいという声も当然受けて、学科の配分といいますか、大ざっぱに言うと、普通科7に対して専門学科が3というような、7対3という比率については、現に中学生の進路希望もそのような構図になっているところもありますので、人口減少の中でも。その比率については維持できるように努めてまいったということでお返事になりますでしょうか。

◆百瀬智之委員: 文科省やらいろいろな縛りというか、緩和しないこともあると思いますので、そういった御答弁になるかと思いますけれども、私が一般質問で申し上げさせていただいたのは、こうやってそれぞれの旧通学区ごとに、それはそれで個別最適化はされていくと思う。これからの人員配置、高校の入学者をどうしていくかということで、個別最適化されていくけれども、県全体として見たときに、あるいは中信地区全体として見たときに、果たしてそれでよかったのか、あるいは、もっとダイナミックなことができるのではないかということを申し上げさせていただいたわけです。たまたまそのときは、林業ということも言わせてもらいました。かつての山林高校ということも申し上げさせていただいたわけですけれども、本当に、例えば長野県が、今も交流していますか、オーストリアとかね。目指してやるぞということでやっていますけれども、これは西沢委員と一緒に行かせていただいたときも、現地の専門高校、これどうなっているんだということでお話聞いてきました。そのときにいただいたのは、専門高校は5年やって、2年実地でしっかり働いて、その上で、例えば、一つフォレスターという資格がある。フォレスターという資格が、例えば1,000ヘクタールから3,000ヘクタール森林管理できると。それに対しての憧れがすごく強いらしいということで、これどうやってなるかと聞いたときに、段階を踏んで、高校、あるいは実地で、それをやっていくとこういう資格になれますというのが国家ぐるみでそれこそ、県とかじゃなくて、州とかじゃなくて、そういうのがしっかり組み込まれていると。我々が目指す姿というのは、もし本当にそこにあるとしたら、高性能林業機械導入しますとか、あるいは人の交流をこうします、技術こうしますというのではなくて、しっかり教育段階から、そういったガチンコのやつを目指さないといけないと思っています、本当にもし林業県としてやっていくのであれば。ということになれば、本当に赤いヘルメットかぶって、林業でこうやって格好よくやっていますよという姿を、しっかり中学の段階でもこういう姿目指せますからということをダイレクトに伝えることができると思う。そういう産業というのをこれからしっかり教育の段階からつくっていく必要があると思って、補足になりますけれども、ああいう質問をさせていただいたということになります。これはこれでとどめたいと思いますけれども、本日の資料5と6、これからの高校の在り方ということで、本当に幅広く捉えることができると思うんですが、最後、教育長に、本日の話を聞いていただいて、何か思ったことあれば一言いただいて、私は終わろうと思います。

◎内堀繁利 教育長: 私も議場にもおりまして、質問内容も聞かせていただきました。そのときに質問に入る前までのところで、百瀬委員の様々な考えを聞かせていただいて、総合技術高校というのを我々つくろうとしているんですけれども、総合技術高校というものの考え方に近いなと思ったんですね。それは、百瀬委員さんからすると違うと言うかもしれません。私はそう思いまして、どういうことかというと、まず、今、職業高校に進む子供たちは、その多くが農業か工業か商業かを決めて入る子と、取りあえず職業高校に行こうという子と、中には部活動もあるんですが、そういう選び方をしているんですね。やっていくうちに、例えば工業高校入った子が農業やりたいというと転校しなきゃいけないという仕組みがあるんですけれども、それはどの程度の数を見込むかはともかくとして、総合技術高校の一つの考え方としては、将来基本的には高校出たら就職すると。そのときに農業系、工業系、商業系の学びができる、横串もできると。実際の社会では、一つの専門で成り立っていないですよね。いろんなものがあって、いろんなものを知らないと、社会の中で就職してからも、人生の中でも生きていけないというところがあって、就職に関しては取りあえず就職したいみたいな子が例えば入ってきたときに、農業、工業、商業、3科があればいろんなものを学ぶ中で、最終的に自分はどの道に進むかということを決められる部分があるんですよね。ですので、一つは学びとして横串を刺して総合的に学べるということだけではなくて、もう一つは、入ってから自分の一番適性を見いだしたり、やりたいことを見いだすことができる学校なんですね。それから、もう一つ特徴的なことは、例えば、農業科、工業科、商業科の単科ですと、規模が小さくなってくると、学科自体の学びも縮小されていくということがあるんですが、総合技術高校ですと、小さい職業科を統合しますので一旦大きくしまして、それをそのときの時代とかあるいは地域の皆さんの意見とか、あるいはその学校自体の考えとか県教委の考えとかで、総合的な学科をつくれるんですよね。例えば、デジタル系というのをつくるとしたときに、工業科ですと工業系のデジタル系の学びしかできないんですけれども、そのときに工業と農業、グリーンとDXをつないだようなデジタル系の学びをつくることが可能なんです。ですので、最後に考えをということでしたので、私自身の、百瀬委員さんの議場でのお話、本日の話をお聞きしまして、目指しているところ、近いものがあると考えましたので、また委員さんのお話も伺わせていただきながら、よりよい学校をつくっていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。