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教育再生ー義務教育考察編③ー

ウェルソというプログラムがある。主には小学校低学年向けで、児童間の揉めごと、言い争いなど、いじめの前兆をケアすることが主眼に置かれるという。特徴的なのは、上級生がその仲裁に入ることだ。

例えば1年生同士でそのようなことが起こったら、7年生や8年生(つまり中学1、2年生)が調停に入る。

調停に入る生徒はテキトーに自分の感覚で裁くのではなく、それに向けて訓練プログラムを受けるのだという。生徒も先生も一緒になってプログラムを受け、それを小学校低学年同士の争いに実例適用する。

2年生が7年生や8年生と手を組んで1年生の揉めごと解決に取り組むこともあるようで、かなり弾力的に運営されているようだ。

またさらに興味深かったのは、スンピクラブと呼ばれるものだった。スンピとはコーヒーのこと、つまりコーヒークラブ!

先生がコーヒーを片手に休憩しているところに、ある児童が呼ばれ、こう声を掛けられる。「最近、いじめられているかもしれないある児童のことが気がかりなんだ。先生たちの目だけでは分からないんだが、ちょっと協力してくれないか?お前勇敢そうだから、ぜひ頼りたいんだが。」

ポイントは、実はその声を掛けられた児童が「いじめっ子になりそうな子」だということだ。指導者がいじめっ子になりそうな子をあらかじめ見つけ、本物のいじめっ子になる前に逆に「正義の軍団」に引き入れてしまおうという思惑。

どんな子でも「お前は勇敢だ」「誇りに思う」と言われて悪い気はしない。学校のカウンセラーもここに参画していて、どの子にどのような役割を担ってもらうかというようなことも裏では打ち合わせされているらしい。

恐るべしコーヒークラブ。先生たちの秘密結社・・・。

日本の教育現場でもこのようなことはあるのかもしれない。だが、学校公認で、組織体としてカウンセラーなども巻き込んで取り組んでいるケースはそう多くはないだろう。

こうして小学校の低学年のうちからいじめの前兆がケアされ、友人関係・対人関係をポジティブに学び、時に“問題児”が正義の軍団の一員として役割を果たし始める。いや、コーヒークラブの正義は、あくまで先生たち主導の行いだったかもしれないが、高学年に向かうにつれ、正真正銘、生徒主導の「正義の軍団」がつくられ始める。

(続く)

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